ベトナムでのコーヒー栽培は1857年フランス人宣教師がラテンアメリカから苗を持ち込んだことに始まります。20世紀初頭には植民地経営の一環として中央高原へと本格的に導入され、やがてコーヒーは国家の主要産業へと成⾧しました。ベトナムにとってコーヒーは米や水産養殖品と並んで主要な輸出農産物です。コーヒー豆の輸出量はブラジルに次いで世界第二位です。コーヒーの生産量の95%はロブスタ種で生産量、輸出量は年々右肩上がりに急増加しています。
ロブスタ種は収穫量が多く栽培しやすい品種です。味はアラビカ種に比べると独特なクセと苦みが強く、そのまま飲まれる事は少なくベトナムでは苦みを抑えるためにコンデンスミルクを入れて飲まれています。
自家焙煎店などコーヒー専門店や多くの人々に飲まれているアラビカ種に比べロブスタ種は缶コーヒーやインスタントコーヒーなど加工用として使われることが多いです。一般的にロブスタ種は独特なクセと苦みが強い味わいのコーヒーで品質が低いといわれています。
ベトナムで生産されているロブスタ種の9割以上は生豆のまま輸出され、輸出先で焙煎など加工を経て缶コーヒーやインスタントコーヒーなどに使用されています。加工用のためあまり品質にこだわることはされず安価で取引されているからです。
そんな「ロブスタ種」のイメージをくつがえす最高品質のコーヒー豆「ファインロブスタ」をご紹介します。
あまり聞きなれない【ファインロブスタ】まずどんなお豆さんなのでしょうか?
ファインロブスタとはロブスタ種の中でも高品質である事を示す鑑定書付きのコーヒー豆のことをいいます。ベトナムで初めて国際的に認知されたCQI(Coffee Quality Institute)というコーヒー豆を評価する世界公式スコア(点数)で80点以上を取っているものをいいます。
ファインロブスタは世界の流通量の2%と非常に希少価値の高く、ロブスタ種の常識をくつがえす品種として近年世界中で注目を集めています。日本ではこれから取り扱いが多くなっていく、とても期待が高くなっている品種だと思います。
今回ご紹介する『ファイン・ロブスタ・ハニー』
ダクノン省はベトナム中部高原の南西部、カンボジア国境に近い自然豊かな地域です。火山由来の栄養分豊富なバサルト土壌が広がり水はけも良好です 。標高500〜 800mの穏やかな気候のもと、ロブスタ栽培が盛んで近年はファインロブスタへの取り組みも進んでいます。
ベトナム中央高原の農家に生まれVin氏は家族の営む農園に囲まれて育ち、自然とともにある暮らしの中でコーヒーへの理解を深めてきました。大学卒業後は地元ダクノン省へ戻り、高品質ロブスタの生産に取り組んでいます。
その後も品質を上げるために労力を惜しまず、品質向上の挑戦を続けた結果、2022年にはVietnam Amazing Cupで当ロットで82.83を取得し、ファインロブス タとして認められ、自身のブランド「Suoi Ngang」を立ち上げました。農薬を極力使わず有機堆肥を活用し、日陰栽培に取り組み3,000本のコーヒーの木を丁寧に育てています。
近年、ベトナムではファインロブスタとスペシャルティアラビカの品質が大きく向上しています。ベトナムは豊かな可能性を秘めた生産国へと進化しています。
新しい「ファインロブスタ種」今までのロブスタ種の概念を覆す品質の高いお豆さんです。
丁寧に作られた生産者さんのコーヒーへの愛情そして商社さんとの深い絆に感謝しながら極上の一杯をお楽しみ下さい。
原産国:ベトナム
生産地域:ダクノン省
農園名:Suoi Ngang農園
品種:ファインロブスタ種(CQIのQロブスタ認証に於いて当ロットで82.83を取得)
標高:700m
精製製法:ハニー製法
スクリーン:S16〜S18
おすすめ焙煎度:中煎り・深煎り
【中煎り】雑味のないクリーンな飲みごこちです。酸味なくまろやかな味わい。
旨みの中に麦こがしあるいはほうじ茶を思わすような風味を感じます。
コーヒーとお茶のハイブリットみたいなおもしろいマイルドコーヒーです。
【深煎り】ひとくち目からガツンとくる力強い苦みです。しっかりどっしり濃厚なコクもあります。
雑味がない、キレイなアフターテイスト。
飲んだ感をたっぷり味わえる「ザ・深煎りビター」
この暑い夏、アイスにしてもとってもおいしいです。